はじめに
当ブログに目を通していただきありがとうございます。
主に兵庫県西播磨地方をメインに建築塗装をさせていただいている有限会社笠松塗装店です。
今回のブログでは、お客様によく質問される塗り替えのタイミングや判断の方法を皆様にお伝えできればと思いますので参考にしていただければと思います。
■外壁塗装の目的
・外壁塗装の塗り替えタイミングの基本
外壁塗装は怠ったとしても直ちに被害が大きくなるわけではありません。ですが常に雨風や太陽光に晒されているため徐々に劣化は進行していきます。そうした劣化から住居を守り、資産価値を維持するためのメンテナンスのひとつが外壁塗装です。
・目安の塗り替え周期
お住いの環境や使われている建材によっても異なります。住宅金融支援機構では木部や鉄部は3年、外壁は8年を推奨していますが、現在では塗料の性能がよくなっているのでそこまで頻繁に塗装をする必要もないかもしれません。
しかし外壁塗装は寿命を長持ちさせるための予防メンテナンスなので、著しい劣化を確認する前に行う必要があります。
・劣化状態による判断
①色褪せや汚れが目立つ
新築や塗り替え直後は塗料の性能により防水効果が高く雨水を弾くので汚れが付着しづらいですが、経年劣化により塗料の性能が落ちてくると水はけが悪くなり汚れが付着しやすくなります。また、色褪せは塗料の劣化度合いを表しています。
②ひび割れ(クラック)
モルタルやサイディングのひびは雨水の侵入経路になります。小さなひびであればすぐに水が入る可能性は低いですが、早めに対策をしていかないと徐々にひびは大きくなり、雨漏りをしてしまったり、住居の劣化を早める原因となります。
③苔・カビ・藻
環境等にもよりますが、苔やカビが繁殖しているのは防水性能が落ちている証拠の一つであると言えます。これらを長期間放置していると壁面に根を張り侵食するので早めに対処することをオススメします。
④金属部分のサビ
金属部分は外壁よりも耐久年数が短くなっています。近年人気の建材のガルバリウム鋼板はサビに強いですが、キズ等が生じた場合そこからサビが発生し、広がる可能性があります。
■外壁塗装の塗り替えタイミングを左右する要素
・塗料の種類
近年は技術の進歩により塗料の種類も多くなりました。ここでは数ある外壁塗料の中から代表的な6種類をピックアップして簡単に解説をしたいと思います。
①アクリル塗料
アクリル塗料の特徴は塗料が軽量で安価であることです。今回紹介する6種類の中でも最も安価ですが耐用年数が6~8年と短く、近年では外壁塗料として選択されることは少なくなりました。
②ウレタン塗料
ウレタン塗料の特徴は塗料の柔軟性が高く密着性が高い上に、塗装する素地もあまり選ばず、コンクリートやモルタル、金属や木部にも通そうすることが出来ます。比較的安価ですが耐用年数が8~10年なので短めの周期での塗装が必要になることと、少しべたつきがあるため汚れが誇りが付着しやすいという欠点があります。ですが、耐候性はそれなりに高いので付帯物(雨樋や雨戸等雨漏りに影響のない部分)をウレタン塗装にすることで全体的な費用を少し抑えることが出来ます。
③シリコン塗料
シリコン塗料の特徴は耐水性、耐久性に優れており、透湿性もよいとされています。また、パフォーマンスと価格のバランスが非常によく、近年では多くの方に選ばれている塗料です。耐用年数は10~12年となっており、安さと耐久性を求めるのであればシリコン塗料をオススメします。
また近年ではラジカル制御型シリコン塗料というものがあります。これは劣化した顔料が粉状になって外壁面に現れるのを防ぐために考え出されたハイブリッド塗料です。耐用年数は15年程度で通常のシリコンよりは高価になりますが、後述するフッ素塗料よりは安価でありながら通常のシリコン塗料よりも耐久性がアップしているので、選ばれる方が増えてきている塗料です。
④フッ素塗料
フッ素樹脂の特徴は耐熱・耐寒性を兼ね備えた耐久性の高さにあります。少し高価になりますが、耐用年数が15~20年と長期になっているので、メンテナンスの回数を減らすことが出来ます。また、紫外線や酸性雨に強いため外壁や屋根が汚れにくいという特徴もあります。豪雪地帯では屋根に積もった雪が落ちやすくするためによく塗られているそうです。
⑤無機塗料
無機塗料の特徴は主に鉱物で構成されていることです。無機塗料と言われていますが無機物のみで構成されているわけではなく無機物と合成物質のハイブリット塗料です。外壁の劣化症状は塗料に含まれている有機物が劣化することにより起こるので、無機物主体にすると劣化症状が出にくくなるのではという目的で作られました。これまでに紹介した塗料の中では最も効果となりますが、耐用年数は20~25年ほどと非常に長く、長期的なメンテナンスフリーがご希望の方にオススメの塗料となっています。
⑥クリア塗装
クリア塗料は築年数の浅いサイディング材に塗装できる塗料で、透明の塗料で現在の外壁の意匠をそのまま活かすことのできる塗料となります。これまで紹介した塗料とは異なり、外壁のデザインや木目などを活かしつつ塗料の保護効果を出したり艶を出すことができます。しかし、築8~12年程度の色褪せの少ないサイディングボードにしか向きません。クリア塗料の耐用年数は8~10年となります。
他にもセラミック塗料や光溶媒塗料などもありますので、後日改めて記事にしてご説明させていただきます。
・気候や地域
外壁塗装のベストシーズンは天気が乾燥していて天気も安定している春(4~5月)と秋(9~10月)とされていて、梅雨は避けた方がよいと言われています。しかし実際は梅雨やそれ以外の季節でも注意点を守れば十分に外壁塗装は可能ですので、季節ごとのメリットやデメリットを解説します。
春や秋に外壁塗装を行うメリットは安定した気候のためスムーズに施工できる点です。梅雨や真冬とは違って天候に左右されにくく、施工中に窓を閉め切ることになっても比較的過ごしやすいと思います。デメリットとしては春雨前線や秋雨前線の影響を受ける可能性があることと、繁忙期なので業者の確保が難しかったり価格が割高になる可能性があることです。また、春の場合後期になると梅雨入りが早まって工期が伸びる可能性があります。
梅雨時期に外壁塗装を行うメリットは一般的に避けられがちな季節なので比較的予約が取りやすいというところです。業者によっては割引を行っていることもあるそうです。デメリットとしてはやはり梅雨の影響で雨が続き、後期が長期化することです。雨の日は塗装が出来ないので場合によっては通常の倍以上の日数がかかる可能性があります。梅雨に外壁塗装をする場合は余裕のあるスケジュールを組むことをオススメします。
夏に外壁塗装を行うメリットは晴れの日が多く気温も高いため、塗料の渇きもよくスムーズに作業を進められることです。お盆休みを設けている業者が多いですが、その時期を避ければスケジュール通りに施工を進められることが多いでしょう。デメリットとしては夕立やゲリラ豪雨が降りやすいため工事が中断する可能性がある点です。台風が通過する可能性もあり、その場合も作業が中断されます。また、塗装工事中は窓が締め切りになることもあるため、熱中症にならないようエアコンが使えるように取り計らってもらう必要があります。
冬に施工するメリットは梅雨と同様に閑散期なので予約が取りやすいことだと思います。デメリットは積雪や凍結の可能性があることです。時間帯によっては気温が5℃以下になったり夜露が発生するせいで1日に塗装出来る時間が短くなり、後期が長くなりがちです。
・メンテナンスの頻度
外壁塗装のタイミングは8~15年と言われていますが、上記で解説した通り塗料によって耐用年数は大きく変わりますので、建材の耐用年数や前回使用した塗料などの資料はしっかりと残したうえで検討していただければと思います。判断方法については次の項目で解説させていただきます。
■外壁塗装の塗り替えタイミングの判断方法
・自分で判断する
外壁をチェックするときは以下のポイントに注目してみてください。
・傷やひび割れ
・塗膜の状態(チョーキング)
・汚れや色褪せ・カビ・藻
これらのポンとに注意することである程度塗装のタイミングを把握することが出来ます。傷や色褪せについては上記に記載しているので参照していただければと思います。
塗膜の状態を確認するには、手で触ってみたときに粉のようなものが手に付着するかどうかで判断することができます。これはチョーキング現象といい、塗料に含まれている顔料が外壁の表面にチョークの粉のようになって出てきてしまっています。外壁の色に近い粉が付着するとチョーキング減少である可能性が高いです。
・業者に相談する
当社では見積・ご相談は無料で承っておりますのでご遠慮なくご相談ください!
■まとめ
本日は外壁塗装について解説をさせていただきました。いかがでしたでしょうか?少しでも外壁塗装の参考になれば幸いです。
外壁塗装は決して安くはないので慎重になってしまうと思います。ですが、今お住いの住居を守るためにはいつかやらなくてはならないので、お悩みの際は是非ご相談ください。現況をしっかり確認し不要な工事を勧めたりせず親身に相談に乗らせていただきます。
今後も不定期にはなりますが、ブログの更新をしていこうと思いますので、お目通しいただければ幸いです。ありがとうございました。